2021年ベストリッチ簡易水冷CPUクーラー ASUS「ROG Ryujin II 360」をレビュー

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 2021年ベストリッチと言っても過言ではない簡易水冷CPUクーラーが2021年9月10日に販売されました。なんと値段は、360mm 45800円(税込)、240mm 36800円(税込)です。簡易水冷としてこのクラスだと一番高いのではないでしょうか・・・ということで、このリッチな簡易水冷をレビュー&簡易的な検証をしていきます。

ASUS ROG RYUJIN II 360mm 簡易水冷CPUクーラーのスペックと特徴

ASUS ROG RYUJIN II 360mm 簡易水冷CPUクーラーのスペック

化粧箱は360mm簡易水冷では小さめです。ビニールの手提げROGバッグついてきます。
ウォーターブロック サイズ:78.16 x 87.5 x 81 mm
ベースプレート素材:銅
ヘッド搭載ファン

4,800 RPM ±10%
静圧 3.23 mm H2O
風量 19.41 CFM(32.978 m3/h)

ウォーターポンプ Asetek Gen 7th
800 ~ 2,800 rpm ±300
12V DC , 2W , 0.3A
ラジエーター 360mm
全体:121 x 394 x 27mm
素材:アルミニウム
ヘッドディスプレイ 3.5 インチ
フルカラーLCD
付属ファン Noctua NF-F12 Indusctrial PPC 2000 PWM x3
対応CPU

Intel LGA15xx , LGA1200, LGA1366 , LGA20xx , LGA1700
AMD AM4 , TR4 / sTRX4

価格 45,800円前後

 

 チューブは直径、約10.94mm、micro-USBとUSB2.0がモニターの部分から出ていますがそれぞれ、約900mmと約740mmです。各配線は裏配線にも十分の長さでした。

ASUS ROG RYUJIN II の特徴

1.VRM周辺冷却用ファン搭載

ASUR ROG RYUJIN II 360mm VRM冷却ファン

 近頃のメーカー系簡易水冷の上位モデルでは搭載されているVRMあたりを周辺を冷却するためのファン、他社メーカだとMSI MPGシリーズ、ARCTIC、INWIN BRシリーズに搭載されています。

 スペックとしては最大回転数4800rpmと高回転。ただ常時回転しているわけではなくコントロールユニットでCPU温度が60℃~動作するようになっていました。ソフトウェアで回転数などは個別に設定ができます

2.3.5インチ フルカラーLCDモニターがヘッドに搭載

ASUS ROG RYUJIN2 360mm ヘッドLCDディスプレイ

 3.5インチの フルカラーLCDディスプレイが搭載されています。3.5インチというとiPhone4sまでのiPhoneが3.5インチです。もうパソコンケースの中にiPhone4sの画面が搭載される時代なのか・・・

 LCDディスプレイには、JPGをはじめ、GIF(動く画像)の最大16MBまで7個のファイルをアップロード可能です。スライドショーも可能。また、ハードウェアモニターとしても利用ができます。1~4つまでのCPU・VRM・マザーボードといった温度や電圧など情報を表示することができます。ただ足元にパソコンを置いていたら見ませんけどね。

 情報の表示数を増やすのを増やす場合、下に追加されていくタイプ。もし可能であれば、もうちょっとレイアウトを検討してほしかった。NZXT Zシリーズのようなこじゃれたデザインの提案もあればよかったなと思います。全体的なロゴなどのデザインはクールですね。

 AIDA64のOEMが付属します。AIDA64の情報を表示でき、より細かく設定ができるようになります。ただROGデザインでないので、好みですね。

3.Noctua製ファンが付属

 空冷クーラーで有名な「Noctua」のファンが付属します。付属するファンはNoctuaの伝統的なカラーの茶色ではなく「黒」のインダストリアルシリーズ(産業向け)です。

 このインダストリアルシリーズは、そもそも産業用なので耐熱性などが高く耐久性重視。もちろんNoctuaなので静圧・風量が高いけどそこそこ静かという仕様のファンです。

他社ファンとの比較

 Noctua industrialPPC
2000 PWM
NF-F12
MSI TORX FAN 4.0NZXT Acer P 120mmFractal Design
Dynamic X2 GP-12 PWM
サイズ120mm120mm120mm120mm
回転数450 – 2000 rpm +-10%0 – 2500 rpm 500 – 2000 rpm +-300 rpm500 – 2000 rpm
静圧3.94 mm H2O4.29 mm H2O2.93 mm H2O2.3 mm H2O
風量71.6 CFM
121.8 m^3 /h
77.4 CFM
131.5 m^3 /h
73.11 CFM
124.2 m^3 /h
87.6 CFM
148.8 m^3 /h
ノイズレベル29.7 dB39.9 dB36 dB32.2 dB
コントロールPWM / DCPWM / DCPWM / DCPWM
MTTF> 150,000 h> 100,000 h> 60,000 h> 100,000 h
その他IP52準拠ARGBハウジングの色が変えれる光るのもある
市場価格3,300円前後2000円前後2300円前後

 ファンに関しては、好みだったり・・・宗教的なものもあるので、簡単にどれがいいよっていうはなんですが、Noctua IPPC 2000は、そこそこのノイズで、静圧高め、耐久力があり、IP52(粉塵保護、2000mmの高さにより15°の範囲3-5mm/mの水滴10分)です

 簡易水冷や基盤実装数が多いPCファン類は、静圧が高いほうが効率的に風を送り出すことが可能です。ただ静圧だけ高くてもノイズが大きければ、静穏PCとはなりません。求めるPCによりますが、静かなほうが私は好みです。静圧を考えるとMSIのTORX FAN 4.0はとても優秀かと思います。個別販売してないのが…少し残念ですが…。

引用元:noctua.at

 性能が良いかどうかは、画像のように風量と静圧によるグラフがあると良い判断材料になります。水冷やCPUクーラーのようにファンの直後に障害物があるようなファンは静圧が高いほうが性能を発揮することができます。ファンの特性を理解して設定することで静穏だったり冷却重視にすることが可能です。常時100%で稼働することは、よほどの理由がない限りないと思います・・・

 冷却の基本は、ファンの性能も大事ですが「冷たい風を当て、暖かい風を外に出す、室温は一定になるように暑いときは冷房を付ける」です。

 Noctuaだと、昔のモデルが安くなってできてた redux モデルがコストパフォーマンスが優れていると思います。ケースファンに○

4.AIOファンコントローラー

 AIOファンコントローラーが必須です。おそらくですがヘッドに装着しているLCD付きのコントローラーを補助する形になる製品かなと思います。Ryujin II専用品のようで「AROMORY CRATE」でも規定のファンの回転数の表示や、ヘッド付属のファン、ポンプの回転数などを読み込むことができます。NZXTのように水温などによる調整はできないようです。DCファンを付けてみたりしましたが回転数などは認識せずに回転はしている(おそらく付属のNoctuaのファンの設定で動いている)

 せっかくのUSB FANハブなのに勿体ないなぁもっと細かく調整ができたりデータを取得&表示できたらたらいいのにと思います。もしかするとアップデートで取得&表示できる数が増えるかもしれません。

ASUS ROG RYUJIN II をコントロールする「ARMORY CRATE」

 ASUS製品全般をコントロールすることができる「AROMORY CRATE」というソフトウェア。この手のソフトウェアは、どうも他のソフトウェアと干渉不具合がおきたりするので入れたくないのですというのが本音。残念ながら、ASUS ROG RYUJIN IIを導入するには必須です。

 前述したAIOファンコントローラーでも書きましたが、ファンリストが決まったファンのみ他のファンを接続したりとその辺がコントロールできるようになったらファンハブとしてもかなり優秀なのですが…ARMORY CRATEのアップデートを待つとしますか…

 CPU FAN PWMに接続していないので、CPU Fanは回転数「0」のままで、ARMORY CRATEでは読み込みができません。同社のソフトウェアなのでこの辺りはどうにかしてほしいです。

ASUS ROG RYUJIN II 性能チェック

 ベンチマークソフトは今回はじめて3D MarkのCPUベンチマークツールを利用しました。

CPU AMD Ryzen 5950X
マザーボード ASUS ROG Crosshair VIII DARK HERO
ケース Fractal Design Define 6
ケースファン 吸気:Noctua NF-A14 PWM x2
排気:Thermaletake THOUGH FAN 14 x1
ラジエーター取り付け方法 トップマウント

 CPUは現状でコンシューマー向け最強であろうRyzen 5950x、マザーボードはASUS製のX570マザーボードCrosshair VIII DarkHeroです。

  最高温度 最低温度 アイドリング 最高クロック
Fractal Design Celsius 280mm
+Noctua NF-A14 PWM
+ARCTIC MX-5グリス
78.85℃ 64.75℃ 40.1℃ 4958Mhz
ASUS ROG Ryujin II 360mm 79.25℃ 65.13℃ 39.2℃ 4950Mhz

  280mmと360mmは、ほぼ同じなのですが冷却特性がやや異なりますが冷却性能はほぼ同じです。本当に冷却性能を調べるならグリスも併せろって感じですけどね(笑)おおよその指標になればOK!グリス変えたらあと2-3℃は変わるかもしれませんね。

 もし、ラジエーターサイズで悩むのであればPCケースの中に入るか入らないで決めてしまえばよい。140mmファンのほうが低回転で風量&静圧が稼げるので静かなPCを作るには280mmのほうが良いかなと思います。

 Noctua NF-A12 iPPC 2000rpmモデルは静穏ファンでないのでそれなりに音がします。普通のファンです。よく冷える?冷えはしますし高回転時の音も静かです。なによりもラジエーターをトップマウントにしたときに暖かい空気をそれなりに受けても大丈夫というとこがポイント。

まとめ

ASUS ROG RYUJI II 360 のメリット&良い点

  • Asetek 第7世代 ポンプで性能◎
  • 6年保証
  • Noctua industrial PPCファン付属
  • LCDモニターは楽しい!
  • ポンプヘッドにファンがあるのでVRMやCPUソケット周辺の冷却ができる
  • ASUS製品との相性◎
  • 各ファンが細かくコントロールできる
  • LGA1700対応

ASUS ROG RYUJI II 360 のデメリット&弱点

  • 4万円オーバーと簡易水冷最高額(執筆時2021年9月24日)
  • AROMRY CRATE&AIOファンハブがないとコントロールできない
  • ラジエーターに貫通ねじ受け無し(ネジ締めすぎるとフィンがつぶれます)
  • 個人的には説明書が説明不足な気がします。
    特にネジの締めすぎ注意くらいはあったほうが良いのでは…?

 ASUS ROG RYUJIN II 360は、値段以外は◎です。もし3万5000円とかで購入できるのであれば、即買いしちゃってください。モニター付きの簡易水冷はNZXT Zシリーズ、今後販売予定のThermaletakeもあります。なので無理してASUSじゃなくてもよいかと思います。マザーボードがASUSであればコントロールがしやすいので良いな~

 他社マザーボードに変えると使いづらいのでは?やはりPWMの信号は読み取ったほうがいいのではないでしょうか。CPU FANコネクターにFAN接続してないと起動しないマザーボードとかありますし…その時は適当にファンを装着してしまえばいいだけですけども。

 また、AIO ファンハブの機能をもうちょっと色々つけてほしい。せめてNZXT Zシリーズのように水温を取得して細かくコントロールできるようになれば◎

 ASUSファンならもちろん購入するでしょう。ただ冷却性能だけでであればASUS ROG STRIX LC II 360 ARGBで十分です。