私も自作PCerなのですが、最近は簡易水冷(AIO)が手に入りやすくなったことで自作PCやBTOに簡易水冷(AIO)をインストールできるようになりました。とても良いこと。
私もCoolermaster MasterLiquid 240を装着しIntel Core i9 9900Kを使っていました。常時5GHz駆動ほぼ定格OCってやつですね。まぁちょっと「チョルチュル」と音がするわけですよ。ポンプがエアを噛んでいるような…あーこれは…と思い、せっかくならサイドフローのいいやつ…すぐにいい買い物をしてきました。せっかくなので検証も行いました。
目次
簡易水冷の仕組み

主成分がエチレングリコールであるラジエーター液が使われることが多いと思いますが、その特殊な水溶液が入ったラジエーター・配管・水枕(CPUに接続する部分)に注入されています。密閉式ラジエーターの場合、基本空気が入っていないはずです。
最近の物は120㎜サイズの小さいものから280㎜とかなりのサイズのものまで複数存在しますが正直240㎜以上じゃないと空冷以下の性能でただ場所を取るだけのイメージ。
また簡易水冷は、初期不良品の製品もいくつか見受けられ、今のところ20個かったら1個くらいあるかなという所感、水漏れのリスク(現在の製品はだいぶ軽減されている)もあります。
静音とうたわれていますが、ポンプの駆動音やファンの枚数だけ音はしますので、実はそこまで静かではないです。
冷却安定性に関しては、並の空冷に比較すると良いという製品です。またクーラント液の寿命が約6年。シーリングが3-4年程度と思って使った方が良いです。
そうなると本格水冷のほうがよいのでは?と思ったりしますね…
どの簡易水冷クーラーもAsetek社が製造しています。たしかASUS、Coolermaster、CorsairあたりはAsetekのOEM製です(間違ってたらすいません)
恐らく日本のラジエーターメーカーが作ったら最強に冷えるラジエータできると思ってはいます。その他技術がちょっと心配ですが…
空冷の仕組み

読んで書いて字のごとく空気で冷やす仕組みです。実際にはどちらも空冷式なのですが冷やす媒体が液体を介して空気で冷やすか金属(ヒートシンク)に風を当てて冷やすのかの違いです。
サイドフロー式と、トップフロー式とあります。それぞれ得意不得意がありますが、今回はサイドフロー式。トップフローよりも冷やすことができコストパフォーマンスも良くTDP250Wクラスまで対応できる優れものが多数あります。
購入したのは「CRYORIG R1 Ulitimate V2」

言わずと知れたコスパガン無視のサイドフロー式空冷ユニットです。PCケースも相当大きいものではないと入らないです。私が使っているのはNZXT H700。当ケーズには問題なく入りました。ATX対応であれば小さいケースでなければ入るのではないでしょうか…
購入時は念のため干渉を調べる CRYORIG ORIGAMIというので調べることをおススメします。

明けてびっくり圧巻…とても大きいです。RTX2080Tiを初めて明けたときのよう…とても大きい。事前に調べたものの本当に入るのか…と疑いました。

美しい。V12エンジンのエキマニのようです。といってもこの手の製品は大体こんな感じなので、割愛。ソルダリングなので良く冷えるようです。コストはかかっているはず!

良く冷えるといわれている付属グリスの「CP7」CPUをいかに冷やすかの点では、グリスも非常に大事なります。これ2-3回痛感したことあるんですが、とりあえず初心者の方は良いといわれているグリスにしとけば問題なしです。塗りすぎだけには注意!
ゴニョゴニョとすると、だいたいてなれている人で30分もかからないと思います。装着完了!ちゃんと回るか確認してからPCケースの蓋は締めましょうね^^
メモリ干渉について【追記】
結構メモリの干渉でお調べ頂いているようなので、Cryorigを購入する際はOrigamiという印刷して利用できるチェッカーが用意されています。
ケースの高さ干渉チェッカー → http://www.cryorig.com/depthchecker.php
メモリ等の干渉チェッカー → http://www.cryorig.com/tester_lists.php
ちなみに、私の試した環境はIntelとAMDです。もちろんマザーボード等の関係があるのですが、光る系のメモリは干渉するものが多いです。
試したマザーボードとメモリ
ASRock PhantomGaming 7 + Corsair VENGEANCE系 → 干渉しない
ASRock PhantomGaming 7 + Corasier VENGEANCE RGB系 → タッチする
ASUS MAXIMUM Z390 + Corsair VENGEANCE系 →干渉しない
Gigabyte X570 Pro + G.Skill Trident Z-Neo → フロントファンが干渉する
ヒートシンクが搭載されている普通のメモリは干渉することはありませんが、LED搭載メモリや、背が高いヒートシンクを搭載しているメモリは干渉率が高いです。
ちなみに高さで干渉した場合、R1 Ultimate等の場合はファンを手前に引いて干渉している部分を回避して搭載ができます。若干冷却性能は落ちるかもしれませんが誤差の範囲内と思っています。R1 Ultimateではなくファンが1つしか搭載しないモデルであるH7 V2を選べてば、干渉する問題も少なくなります。H7シリーズでも十分冷えます。心配な方はお試し下さい。あとはメモリ部分のフロントファンをXT140に変更する手もあります。
冷却性能はどうなのか…
今回試したのが、4K30FPS、ビットレート100mbpsの動画のエンコードです。
Coolermaster MasterLiquid 240 RGB(簡易水冷)

室温 | 24℃ |
湿度 | 45% |
最大温度 | 79℃ |
最小温度 | 34℃ |
平均温度 | 64℃ |
CoolermasterのMasterLiquidシリーズのファンはうるさいので有名ですので、エンコード最中は最高にノイジーです。購入検討されてる方は、ファンを変えたほうがいいと思います。
CRYORIG R1 Ulitimate V2 (サイドフロー式空冷)

室温 | 25℃ |
湿度 | 50% |
最大温度 | 79℃ |
最小温度 | 32℃ |
平均温度 | 64℃ |
若干ですが、簡易水冷式のCoolermaster MasterLiquidが平均温度で勝利!ほんと微々たる差でした。全体的に冷えはするのは簡易水冷式。ただノイズに関してはCoolermaster MasterLiquid>CRYORIG R1 Ulitimate V2でした。そもそもCoolerMaster MasterLiquidのファンは、かなりうるさいジャンルに入るので比較にならないですね。
TDP 250Wまで対応するサイドフロー式空冷CPUクーラーのR1 Ulitimate V2、構造・寿命等を考えたうえで今回は空冷のほうが優位と私は位置づけます。
Division2

室温(冷暖房なし) | 24℃ |
湿度 | 45% |
最大温度 | 75℃ |
最小温度 | 50℃ |
平均温度 | 68℃ |
動画編集以外にも重たいアプリケーションといえばPCゲームですが、最新ゲームで重ためのDivision2(WQHD/ULTRA設定)で行っています。データとしては残っていないのですが簡易水冷(240㎜)でもほぼ同じ温度です。ヘッドホン等をつけてやっているのでファンノイズはあまりきになりません。マイク等にも音が入ることはなかったです。
CRYORIGの温度の安定性は高いですね。Division2は重たいゲームのジャンルですのでここまで発熱しないのはなかなか良いといえるのではないでしょうか。
まとめ
簡易水冷 | 空冷サイドフロー式 | |
値段 | 高い | 安い(一部を除く) |
冷却性能 | 高い(240㎜以上) | 高い |
手軽さ | △(知識が必要) | ◎ |
故障リスク | 高く初期不良リスク有り | 単純構造なので個人でも修理しやすい |
私の個人的な見解で表になるとこんな感じです。そんなに大差ないなら水冷の故障リスクを負わずとも単純かつ簡易な空冷式を使った方がいいかなという感じですね。
虎徹 Mark IIといったコストパフォーマンスに優れたモデルさえ買ってしまえばお求め安いと思います。CRYORIGは、少しばかり高いので水冷にしちゃってPCケースないスッキリさせるのもありかもしれません。同じくらいの性能なので、好みかな~という感じですね。
私は当面、サイドフロー式空冷の CRYORIG R1 Ulitimate V2 で行こうと思います。なによりもアイドル中に静かなのがベストなのです。